北新地競馬交友録

一花二花

「結果を受け入れているので、もう私の出る幕ではないのかもしれないなという気持ちはあります」と苦しい胸の内を語ったのは、『北京五輪•ノルディックスキージャンプ•女子ノーマルヒル』に出場した高階紗羅ちゃん。
小学2年生からジャンプを始め、中学生だった12年に15歳でW杯初優勝。
以後も好成績を上げ続け、昨季までW杯60勝、表彰台109度はいずれも男女を通じて歴代最多である。
五輪は有力視された14年『ソチ大会』は4位で表彰台を逃したが、18年『平昌大会』で銅メダルを手にした。
そして今回は金メダルが期待されたが、残念無念の4位でメダルを逃してしまったのだ。

長らく、女子のジャンプと云えば沙羅ちゃんと云われ、W杯では無類の強さを誇るのに、何故か、オリンピックになるといい風が吹かないのは気の毒の極みである。
報道によると、随分真面目な性格で努力家。
何よりも、応援してくれている周りにいい結果を出さなければとの思いが強過ぎるきらいがあるらしい。
この『北京五輪』では、混合団体で思いっきり飛び、そして2026年にイタリアで行われる冬季オリンピックでは、周りのためでなく自分のために飛んで欲しいと思う。

ジャンプのキャリアは長くても、まだ25歳。
もう一花もニ花も咲かせて欲しいなるなりである。

「マスターさん、おはようございます。オミクロンで大変な事になってますね。兵庫県も昨日は6千人近く感染者が出ました。」は、熊本天草出身○原さん。
「相変わらず煽り専門のワイドショーに毒されてんな〜。昨日、沖縄県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の座長、琉球大学大学院藤田次郎教授がテレビで云ってたぜ、オミクロンの致死率は0.006%だとョ。インフルエンザが0.01%らしいから弱いの弱くねえのって、『根岸S』のオメガレインボーやソリストサンダー並みだっちゅ〜の。和生は何をやっとるんない。タガノビューティーの明秀にかぶされ通しでまともに力だしてねえじゃんか。やっぱ弟とは一枚も二枚お手てが違ってる。あいつに命より大切なマニーを賭けた己の馬鹿さ加減がマジカル泣けるぜ。」
日曜日の朝のお約束、ボヤキ節が炸裂している。

「今日は『きさらぎ賞』ですか?」
「うんにゃ、自動的に横山のオヤジを買わなきゃならねえレースなんて、剣呑過ぎるだろうが。東京メイン『東京新聞杯』だ。マイルの申し子ルメ公のファインルージュにゃ、一目も二目も置かざるを得ないが。先週1番人気に8騎乗2勝、2着5回と復活の兆しはアリアリだが、まだ、全幅の信頼を置くまではいかねえ。去年勝った明良のカラテもモチロン怖いが、いぶし銀裕信がまたがるイルーシヴパンサーに気がある。一勝クラスから怒涛の3連勝。1600mは4戦3勝&2着1回とパーフェクト連対だぜ。」

「田辺Jですか、大丈夫かな〜。」
「くぬ野郎、失敬な事を云うな。去年は新潟で1000勝を達成。長い競馬の歴史の中でも40人しかいねんだぞ。コパノリッキーやロゴタイプでG1もぶっこ抜いてるしョ。もうちいとばかしいい風が吹いて、それなりの馬が回ってくりゃ〜、大きいところの一つや二つはいわす腕はある。それに2月12日が誕生日で38歳!はい!おめでとうてなもんだ。発表!ファインルージュが強いだろうから、裕信の単勝に1万、バンドヒット狙いで複勝に4万で絵にしてもらおう。」と結論付けた。

高階紗羅ちゃんじゃないが、もう一花も二花も咲かせてくれと田辺Jに声援を送るマスターだが……さて。