『雨が空から降れば』by ひとし こむろ
雨が空から降れば
オモイデは地面にしみこむ
雨がシトシト降れば
オモイデはシトシトにじむ
黒いコーモリ傘をさして
街を歩けば
あの街は雨の中
この街も雨の中
電信柱もポストも
フルサトも雨の中
しょうがない
雨の日はしょうがない
公園のベンチでひとり
おさかなをつれば
おさかなもまた
雨の中
しょうがない
雨の日はしょうがない
しょうがない
雨の日はしょうがない
しょうがない
雨の日はしょうがない…
梅雨の走りである。
既に沖縄、奄美、九州地方は梅雨入りしている。
それは兎も角、緊急事態宣言が出されて、ついに街中で酒も飲めなくなった。
こんな事が、法治国家で許されるのか?と首を傾げざるを得ないのだが……….。
少しばかり小洒落た店の中から、そぼ降る雨を見ながら冷酒でもなんて事が、とんでもない贅沢となってしまったのである。
それにしても良く降る。
豪雨災害が心配な季節が、もうすぐそこまで来ている。
新型コロナ禍でヘロヘロになった我がJapanへの追い討ちとならなければ良いのだが。
「マスターさん、おはようございます。」は熊本天草出身○原さん。
「はい、おはようさん。」
「先週の『NHKマイルC』は馬券買わなかったんですね。」
「ああ、あ〜でもない、こ〜でもないと迷ってたら面倒臭くなってョ。まあ、あんまし当たらねえから手が縮こまってんだろう。G1だってえのに情けねぇ話しだがに。」と自嘲気味のマスターなのである。
「今日はどうされますか、なにせあのアーモンドアイを子供扱いしたグランアレグリア様が適距離に戻っての『ヴィクトリアマイル』ですからね。」
「そうよな〜。10回走ったら9回はあの馬が勝つだろう。バット、天気が崩れるのが、思いの他早そうだ。紛れもなきにしもあらずだろう。前に行く馬を買いてぇな。18番枠は微妙だが、最後に枠入りするならスタートを上手く切って、アレヨ、アレヨ豊ちゃんのレシステンシアが面白そうだ。単勝2万、複勝3万を放ってみっか。」
雨に降り込められたJAPAN列島。
酒も飲めない事態になるなんて、誰も考えなかっただろう。
世の中がなんでも有りなら競馬だって。
単勝1.5の馬がお隠れあそばしたら面白いのだが…….さて。