北新地競馬交友録

連闘

『お正月』by 廉太郎 滝

もういくつねるとお正月
お正月には 凧あげて
こまをまわして 遊びましょう
はやくこいこいお正月

もういくつねるとお正月
お正月には まりついて
おいばねついて 遊びましょう
はやくこいこいお正月

日々の辛い労働から解放されて、皆んなが待ちに待っているお正月だが、「元旦くらいは休ませろ。元旦ストライキを私たちは呼び掛ける!」とコンビニのオーナーらで作る労働組合が記者会見で訴えた。
激怒プンプン丸である。
コンビニのオーナーは、本部の許可なしに勝手に店を閉めることができない。
もちろん自らの裁量で自分は休みを取ることはできるが、人手不足や人件費などの問題から店を開けるならば休みを取る事が出来ないのが現実だ。
初詣スポットや行楽地などにあるコンビニならまだしも、街中の普通の立地のコンビニでは、「1月1日の午前中は1時間に1人くらいしかお客さんが来ないんです。でも本部から報復が怖くて休めないのが実情です。」と泣きが入っている。

コンビニ残酷物語、多くの本やネットでいかに本部に毟り取られるだけのビジネスかが、随分前から発信されているが開店してしまったものは仕方がない。
契約期間内での閉店には、法外な違約金を要求されるのだから、危ない薬と一緒でやったもん負けである。
経済産業省が全国のコンビニオーナーを対象に行ったアンケートでは、「週1日以下しか休めない」と答えた人が全体の85%に上ったほか、「深夜勤務は当たり前で休暇は27年間、1度もない」という悲痛な訴えもあったそうな。
それでいて収入は30万〜40万程度と云うのだから、それこそ多喜二コバの『蟹工船』とタメ。
江戸時代のお百姓さんじゃあるまいし、現代で生かさず殺さずとは本部の悪行三昧と云わねばなるまい。
テレビで流れる爽やかなCFの裏で、多くの人が苦しんでいるのである。

「マスターさん、おはようございます。先週は河豚、半分だけご馳走様でした。」は熊本天草出身○原さん。
「何なら?その半分だけってぇのは?」
「だって支払いが3万円を少し切るぐらいで、マスターが1万4千円だして、残りをK君が払ってましたから。」
「細けぇとこ見てんな〜。お宅もぶら下がり一本じゃなくて、たまには人にゴチするとかねえの。結構な年金を貰ってるんだろ。1週間ぐれぇ飯を食わなくても死にゃ〜しねえから、マニー貯めりゃ〜いいじゃねえか。性根を見せろ!性根をョ〜。」と、朝から老人虐めに余念がないマスター。
「はい、はい。考えときます。今日はどうしますか。そろそろ儲けないと、お正月の沖縄旅行をキャンセルしないといけない羽目になりますよ。」
「大きなお世話だっちゅ〜の!それぐらい、新地の入り口で空き缶を地べたに置いて物乞いしてでも作る。俺ぁ〜この街じゃ〜チョイとした顔だし、第一、お宅なんかとは気合いが違うョ!気合いがョ。」と変な自慢をしている。

「…………..阪神ですか?」
「発表!中京6R隼のレオンコロナ。京都馬主協会会員さんの愛馬。馬主さんがうちでカラオケを唸った事があるが、これがプロ裸足の腕前ョ。」
「それ競馬と関係ありますか?」
「まあ関係ねえけど裏情報って事だ。」
「??????」
「推しメンする理由は、連闘での勝負掛かり。前走は団野のあんちゃんが、4角で膨れてその煽りを受け、太さんのエイシンヨッシーに名を為さしめる結果となった。まともなら勝ってたはずョ。一つだけ厄なのはまたまた8枠って事だ。まあ〜隼が前走同様、度胸1番で出して行くとは思うがな。」
「菜七子の、ヤマニンマヒアがいいんじゃないですか?前走2着で、通算100勝も掛かってますしね。」
「何が菜七子だ。親戚でもねえのに気安く呼び捨てにすんな。まず頭はねえョだろう。内を捌けりゃいつでも勝てる馬だが、菜七子はまだまだ修行の身で大外一気しか出来ねえ。まあ〜あって3じゃねえの。お宅みたいなミーチャン、ハーチャンがバンバン単勝を買ってくれりゃ〜レオンコロナのオッズが美味しくなって、俺がニッコリタンメンになるって寸法だ。発表!単勝に1万と5千、保険でワイドの5ー13に1万だ。」と結論付けた。

コンビニオーナーの過剰労働はいただけないが、お馬さんの連闘は大歓迎。
団野!今度は邪魔すんなョ!はマスターの切なる願いのようだが……..さて。